平成23年12月8日
最近の腹腔鏡下手術におけるトレンドとして、さらなる低侵襲化を目指しての単孔手術やreduced port surgeryの動きとともに、肝や膵臓などの高難度手術の導入が広がりつつあります。胆道手術では、1990年代初頭から腹腔鏡下総胆管結石手術が行われていましたが、手術難度の低くないことや内視鏡治療に先行されるなどが原因し、昨今、施行例数は減少傾向にあるのが現状です。他方、先天性胆管拡張症や胆道悪性腫瘍などに対する胆管切除そして胆管消化管吻合術などの高難度と言っていい手術が腹腔鏡下に施行され徐々に広がってきています。
そもそも腹腔鏡下総胆管結石手術は、エビデンス的には内視鏡治療と比較し短期・長期成績とも良好と考えられ、われわれの経験と手技向上が伴えば、むしろ一般に普及すべき術式であります。胆管切除と胆管消化管吻合術は、開腹においても難度という高い手術ですが、これが腹腔鏡下手術で可能であれば患者への恩恵は大きいものがありましょう。しかし、両手術とも、リスクがあり解決すべき課題も多く安全で確実な手技の確立を目指す必要があります。
以上な観点から、胆道の腹腔鏡外科医が参集して知識と経験を共有化して、両手術の向上と普及を図るべく、腹腔鏡下アドバンス胆道手術研究会を設立するものであります。
代表 名古屋第二赤十字病院外科
長谷川 洋
労働者健康福祉機構東北労災病院外科
徳村 弘実
(文責)
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